病児保育の料金はいくら?神戸市・文京区の例でみる利用料の仕組み

病児保育

病児保育の利用料はいくらかかるのか

病児保育の利用料は国が全国一律の金額を定めているものではなく、神戸市では1日2,000円、文京区では1日3,000円のように、実施主体である市区町村ごとに金額や減免の仕組みが異なっている。

病児保育には、国の実施要綱で定められた「病児対応型」「病後児対応型」「体調不良児対応型」「非施設型(訪問型)」という4つの類型があり、実施主体は市町村(特別区及び一部事務組合を含む)である。要綱自体は利用料の金額を定めておらず、保護者負担とすることができるとした上で、具体的な額は各市区町村・施設が独自に設定している。以下では神戸市と文京区の例を中心に、料金の仕組みと利用までの流れを整理する。

制度の仕組みと自治体の例

病児保育事業(国の実施要綱)

対象は、保育を必要とする乳児・幼児、または保護者の労働や疾病その他の事由により家庭で保育を受けることが困難となった小学校に就学している児童で、疾病にかかっているものとされている。対象とする年齢・学年の範囲は市町村の運用により異なる。

4つの類型のうち、病児対応型は児童が病気の「回復期に至らない場合」であり、かつ当面の症状の急変が認められない場合に一時的に保育する事業、病後児対応型は児童が病気の「回復期」であり、かつ集団保育が困難な期間に一時的に保育する事業とされている。体調不良児対応型は、保育中に微熱を出すなど「体調不良」となった児童に保育所等で緊急的な対応を図る事業で、看護師等1名に対して預かる体調不良児は2人程度とされる。非施設型(訪問型)は、回復期に至らない場合または回復期の児童を自宅で一時的に保育する事業で、研修を修了した看護師等・保育士・家庭的保育者のいずれか1名に対し、預かる病児(病後児)は1人程度とされている。なお、回復期にあたるかどうかなどの医学的な判断はかかりつけ医によるものであり、本記事では立ち入らない。

職員配置は、病児対応型・病後児対応型では看護師等を利用児童おおむね10人につき1名以上、保育士を利用児童おおむね3人につき1名以上配置することとされている。利用の方法としては、対象児童をかかりつけ医に受診させた後、保護者と協議のうえ受け入れや訪問の決定を行うこととされ、医療機関でない施設が実施する場合は、医師が記載した連絡票で症状を確認して決定するとされている。また、市域内の空き状況を見える化した予約システムの構築や、受け入れ時の予防接種状況の確認についても努めることとされている。この実施要綱は、こども家庭庁成育局長が令和6年3月30日付けで通知し、令和6年4月1日から適用、令和7年3月31日に一次改正されている。

神戸市の病児保育(利用料・対象・流れの例)

神戸市の例では、対象は小学校6年生までの子どもで、神戸市内に居住している場合のほか、市外居住で市内施設を利用する場合や、市外居住で市内に勤務する保護者の子どもも含まれるとされている。

利用料は1日1人あたり2,000円で、ほかに500円程度の昼食代・おやつ代が別途必要とされている。減免については、生活保護法による被保護世帯・住民税非課税世帯・里親は0円(無料)、所得税非課税世帯は1,000円(半額)とされている。利用には事前に施設への登録が必要で、あらかじめ登録を済ませておくといざという時にスムーズに利用できるとされている。利用までの流れは、アカウント作成→施設への登録→診察→予約→入室という手順で、予約はオンライン予約サービス「テオテ」にログインして希望する施設へ申し込む形とされている。

文京区の病児・病後児保育(利用料・対象・流れの例)

文京区の例では、対象は区内在住の生後4か月から小学校3年生までの病児・病後児とされている。

利用料は1人1日につき3,000円で、朝夕の加算料金として各300円がかかる施設があるとされている。前年度住民税非課税世帯または生活保護を受けている世帯には利用料の助成があり、利用料の全額が口座に振り込まれるとされている。利用には事前登録が必須で、オンライン予約サービス「テオテ」でのアカウント作成と施設登録が初回に必要とされている。流れは、アカウント作成→施設登録→予約申し込み→診療情報提供書のアップロード→施設からの可否通知という手順で、利用日の前日または当日にかかりつけ医を受診して「診療情報提供書」の記載を受けることとされている。予約は、利用日の前日(前日が施設の休室日の場合は直前の開室日)12時から、当日の朝7時30分までオンライン予約サービスで可能とされている。

利用するにはどんな手続きが必要?

一般的な流れとしては、事前に施設への登録を済ませておき、利用したいときにかかりつけ医を受診して必要な書類を受け取り、オンライン等で予約をしたうえで施設に子どもを預ける、という順序になる。ただし登録のタイミング・必要書類の名称・予約の受付時間帯は自治体や施設によって異なるため、具体的な手続きはお住まいの市区町村の窓口や利用予定の施設に確認する必要がある。

神戸市の例・文京区の例ともに、オンライン予約サービス「テオテ」でのアカウント作成と施設登録を事前に行う運用が取られている。ただしこれは両市の例として確認できる運用であり、すべての市区町村が同じ予約サービスを導入しているとは限らない。受診のタイミングについても、文京区の例では利用日の前日または当日の受診とされているなど、自治体ごとに扱いが異なりうる。

勘違いしやすいポイント

  • 利用料は全国一律ではない: 国の実施要綱は保護者負担の金額を定めておらず、神戸市の例・文京区の例のように市区町村・施設ごとに金額が異なる。
  • 減免・助成の内容も自治体ごとに異なる: 神戸市の例では世帯の区分によって0円または1,000円、文京区の例では対象世帯への利用料の全額助成という形になっている。両者を単純に比較して自己負担額を計算することはできない。
  • 「回復期」などの分類は医学的な判断を伴う: 病児対応型・病後児対応型などの区分は、かかりつけ医の診察や連絡票に基づいて施設・市区町村が受け入れを判断するものであり、本記事で個別の症状について利用可否を判断することはできない。
  • 予防接種の確認は推奨にとどまる: 実施要綱では、施設が受け入れの際に予防接種の状況を確認し、必要に応じて助言することとされているが、未接種を理由に一律で利用を制限する要件として書かれているわけではない。
  • 予約サービスの有無は自治体によって異なる: 「テオテ」は神戸市・文京区の例で確認できる運用であり、他の市区町村でも同じ仕組みが使われているとは限らない。

よくある質問(FAQ)

Q. 病児保育の利用料は全国どこでも同じ金額ですか。

A. いいえ、全国一律ではありません。国の実施要綱は保護者負担の金額を定めておらず、神戸市の例では1日2,000円、文京区の例では1日3,000円のように、市区町村・施設ごとに金額が設定されています。

Q. 利用できる子どもの年齢はどこまでですか。

A. 自治体によって異なります。神戸市の例では小学校6年生まで、文京区の例では生後4か月から小学校3年生までとされています。お住まいの市区町村の対象年齢は窓口や施設に確認してください。

Q. 利用料が減額・免除される世帯はありますか。

A. 自治体によって仕組みがあります。神戸市の例では生活保護法による被保護世帯・住民税非課税世帯・里親は0円、所得税非課税世帯は1,000円とされ、文京区の例では前年度住民税非課税世帯・生活保護受給世帯に利用料の全額助成があるとされています。対象や金額は自治体ごとに確認が必要です。

Q. 当日に突然具合が悪くなった場合、すぐに利用できますか。

A. 多くの例で事前の施設登録や、かかりつけ医の受診・連絡票などの書類、オンライン予約が必要とされています。文京区の例では予約受付の時間帯も定められています。当日の対応可否は施設・市区町村の判断によるため、個別の確認が必要です。

Q. 病児保育は誰が運営していますか。

A. 国の実施要綱では、実施主体は市町村(特別区及び一部事務組合を含む)とされ、市町村が認めた者へ委託等を行うことができるとされています。実際の運営形態は地域によって異なります。

この記事で言えないこと

本記事で確認できた公表情報の範囲では、神戸市の例・文京区の例・国の実施要綱に記載された利用料・対象年齢・減免の条件を紹介していますが、個々の家庭が実際にいくら負担するか、特定の世帯が減免・助成の対象になるかどうかを本記事で判断・保証することはできません。また、子どもの症状が病児対応型・病後児対応型などのどの区分にあたるか、受診が必要かどうかといった医学的な判断も行っていません。

具体的な利用料・対象範囲・登録や予約の方法、当日の利用可否については、お住まいの市区町村の病児保育担当窓口および利用予定の各施設に確認してください。子どもの症状や受診の必要性についてはかかりつけ医に相談してください。病児保育の利用に合わせて休暇を取得する場合の手続きについては、勤務先の人事労務窓口に確認してください。


※本記事は2026-10-07時点で公開されているこども家庭庁・厚生労働省の公表情報および各自治体の公式ページをもとに作成した一般的な制度解説です。病児保育の対象・利用料・減免・登録や予約の方法は市区町村・施設ごとに異なり、記事中の自治体の数値は例示であって全国共通の基準ではありません。本記事は医療に関する助言や診断を行うものではありません。お子さんの症状や受診の判断はかかりつけ医に、利用の可否・料金・手続きはお住まいの市区町村の病児保育担当窓口と各施設に、休暇の取得は勤務先の人事労務担当窓口に直接ご確認ください。本記事は特定の施設・事業者・サービスの利用を推奨するものではありません。


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