病児保育とは?対象・料金・使い方を制度から整理【2026年版】

病児保育

病児保育とは何のための制度?

病児保育は市町村が実施する事業で、対象になる子どもの年齢や利用料、登録・予約の方法は市区町村や施設によって異なるため、お住まいの市区町村や利用したい施設の案内で事前に確認しておくことが欠かせない。

病児保育事業は、保育を必要とする乳児・幼児、または保護者の労働や疾病その他の事由により家庭で保育を受けることが困難となった小学校に就学している児童で、疾病にかかっているものを対象とする。実施主体は市町村(特別区及び一部事務組合を含む)で、市町村が認めた者へ委託等を行うことができるとされている。対象とする年齢や学年の範囲は市町村の運用によって異なるため、「何歳まで利用できるか」は一律ではない。

病児保育事業(国の実施要綱)

この事業は、こども家庭庁成育局長が令和6年3月30日付けで都道府県知事あてに通知した実施要綱に基づくもので、令和6年4月1日から適用され、令和7年3月31日に一次改正されている。要綱では、病児対応型・病後児対応型は看護師等を利用児童おおむね10人につき1名以上、保育士を利用児童おおむね3人につき1名以上配置することとされ、体調不良児対応型は看護師等を1名以上配置し、看護師等1名に対して体調不良児を2人程度預かる体制、非施設型(訪問型)は研修を修了した看護師等・保育士・家庭的保育者のいずれか1名に対して病児(病後児)を1人程度とする体制が定められている。また、域内に複数の施設がある場合に利用者が重複して予約することを防ぐため、空き状況を見える化した予約システムの構築や前日までの再確認などの対応策を講じることとされている。受け入れにあたっては、施設が予防接種の状況を確認することがあるとされているが、これは接種の有無を利用条件とするものではない。なお、事業の実施に必要な経費の一部を保護者負担とすることができるとされているものの、要綱自体は保護者負担の具体的な金額を定めていない。利用料は実施する市町村・施設ごとに異なる。

4つの類型で見る病児保育のしくみ

国の実施要綱は、病児保育を次の4つの類型に分けて整理している。それぞれの詳しい違いや利用条件は別記事で解説しているので、ここでは定義の概要にとどめる。

  • 病児対応型:児童が病気の「回復期に至らない場合」であり、かつ当面の症状の急変が認められない場合に、病院・診療所、保育所等に付設された専用スペースまたは本事業のための専用施設で一時的に保育する事業
  • 病後児対応型:児童が病気の「回復期」であり、かつ集団保育が困難な期間に、病院・診療所、保育所等に付設された専用スペースまたは本事業のための専用施設で一時的に保育する事業
  • 体調不良児対応型:児童が保育中に微熱を出すなど「体調不良」となった場合に、保育所等で緊急的な対応を図る事業。対象は事業実施保育所等に通所している児童で、保護者が迎えに来るまでの間、緊急的な対応を必要とする児童
  • 非施設型(訪問型):児童が「回復期に至らない場合」または「回復期」であり、かつ集団保育が困難な期間に、その児童の自宅で一時的に保育する事業。対象は病児及び病後児

なお「回復期」にあたるかどうかは制度上の類型を区分する言葉であり、実際にどちらに該当するかはかかりつけ医の判断によるものとされている。この記事では医学的な判断には触れない。

病児保育はどうやって申し込む?

国の要綱では、対象児童をかかりつけ医に受診させた後、保護者と協議のうえ受け入れや訪問の決定を行うとされ、医療機関でない施設の場合は、保護者が症状・処方内容等を記載し、入院の必要がない旨を医師が署名した連絡票で確認して決定する流れが基本となる。具体的な予約手段や必要書類は自治体や施設ごとに異なる。

実際の流れの例として、神戸市と文京区の案内を見てみる。

神戸市の病児保育(利用料・対象・流れの例)

神戸市の例では、対象は小学校6年生までの子ども(神戸市内に居住、市外居住で市内施設を利用、市外居住で市内に勤務する保護者の子)で、利用までの流れはアカウント作成→施設への登録→診察→予約→入室という5ステップとされている。事前に施設への登録を済ませておくと、いざという時にスムーズに利用できるとされている。予約は、オンライン予約サービス「テオテ」にログインして希望する施設へ申し込む形が案内されている。

文京区の病児・病後児保育(利用料・対象・流れの例)

文京区の例では、対象は区内在住の生後4か月から小学校3年生までの病児・病後児で、事前登録としてオンライン予約サービス「テオテ」でのアカウント作成と施設登録が初回に必要となる。流れは、アカウント作成→施設登録→予約申し込み→診療情報提供書のアップロード→施設から可否の通知という順で、利用日の前日または当日にかかりつけ医を受診して「診療情報提供書」の記載を受ける必要がある。予約自体は、利用日の前日(前日が施設の休室日の場合は直前の開室日)12時から当日の朝7時30分までオンライン予約サービスで可能とされている。

利用料金と対象年齢の見方(自治体ごとに異なる)

利用料と対象年齢は、神戸市と文京区の例を見るだけでも違いがある。神戸市の例では1日1人あたり2,000円(500円程度の昼食代・おやつ代が別途必要)で、生活保護法による被保護世帯・住民税非課税世帯・里親は0円、所得税非課税世帯は1,000円とする減免がある。文京区の例では1人1日につき3,000円で、朝夕の加算料金として各300円がかかる施設があり、前年度住民税非課税世帯または生活保護を受けている世帯には利用料の助成があるとされている。国の要綱自体は保護者負担の金額を定めていないため、金額の差は自治体や施設の運用によるものであり、他の自治体にそのまま当てはまるとは限らない。各類型の料金・減免の詳しい条件は、別記事で整理する予定である。

よくある質問(FAQ)

Q. 病児保育は何歳まで使えますか?

A. 対象となる年齢や学年は市町村の運用によって異なる。神戸市の例では小学校6年生まで、文京区の例では生後4か月から小学校3年生までとされており、全国で統一された年齢はない。利用したい施設・市区町村の窓口で確認する必要がある。

Q. 利用料はいくらですか?

A. 利用料は実施する市町村・施設ごとに異なる。神戸市の例では1日1人あたり2,000円、文京区の例では1人1日につき3,000円とされているが、これらはあくまで一つの例であり、他の自治体の料金とは限らない。

Q. どの子どもが病児保育を利用できますか?

A. 国の要綱では、保育を必要とする乳児・幼児、または保護者の労働や疾病その他の事由により家庭で保育を受けることが困難となった小学校就学児童で疾病にかかっているものを対象としている。実際に利用できるかどうかは、市町村が必要と認めるかどうかによる。

Q. 当日に熱が出た場合でも利用できますか?

A. 子どもの症状の判断や受診の要否についてはこの記事では判断できない。利用の可否は、かかりつけ医の診察結果と、施設・市区町村が定める受け入れ条件によって決まるため、まずはかかりつけ医と利用したい施設・窓口に相談する必要がある。

Q. 予約はいつから可能ですか?

A. 予約可能な時期や方法は自治体・施設ごとに異なる。文京区の例では利用日の前日12時から当日の朝7時30分までオンライン予約サービスで可能とされているが、これは一つの例であり、他の自治体にそのまま当てはまるものではない。

この記事で言えないこと

この記事は、国の実施要綱と神戸市・文京区の公表情報の範囲で病児保育のしくみを整理したものであり、個別の家庭が実際に利用できるかどうかの断定、利用料の最終的な金額の算定、子どもの症状の判断や受診の要否についての助言はできない。「回復期」にあたるかどうかなど医学的な判断が関わる事項は、必ずかかりつけ医に確認してほしい。また、お住まいの市区町村や自治体以外の制度、民間のベビーシッターサービス等との比較や優劣についても、この記事の範囲では判断できない。

利用可否・料金・登録や予約の具体的な手続きについては、お住まいの市区町村の病児保育担当窓口と利用を検討している各施設に直接確認することをおすすめする。また、看病のために休暇を取得する必要がある場合は、勤務先の人事労務窓口に相談してほしい。


※本記事は2026-10-07時点で公開されているこども家庭庁・厚生労働省の公表情報および各自治体の公式ページをもとに作成した一般的な制度解説です。病児保育の対象・利用料・減免・登録や予約の方法は市区町村・施設ごとに異なり、記事中の自治体の数値は例示であって全国共通の基準ではありません。本記事は医療に関する助言や診断を行うものではありません。お子さんの症状や受診の判断はかかりつけ医に、利用の可否・料金・手続きはお住まいの市区町村の病児保育担当窓口と各施設に、休暇の取得は勤務先の人事労務担当窓口に直接ご確認ください。本記事は特定の施設・事業者・サービスの利用を推奨するものではありません。


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