結論(BLUF)
令和8年4月1日現在の全国1,741市区町村の集計では、申込者数÷利用定員の中央値は0.81で、定員の80%未満の市区町村が808、申込者数が定員を上回る市区町村が124(7.1%)となっている。
調査データの全体像
こども家庭庁が公表した令和8年4月1日現在の調査によると、全国1,741市区町村の保育所等の利用定員は合計3,172,919人、申込者は2,729,681人で、待機児童は2,435人となっている。この利用定員には保育所・認定こども園・地域型保育事業に加え、特例保育等・企業主導型保育事業・地方単独事業の分も含まれた合計であり、国が公表する4類型のみの全国計とは異なる点に注意が必要である。
待機児童がいる市区町村は189(全体の10.9%)で、残る1,552市区町村(89.1%)は待機児童0となっている。一方で、申込者数が利用定員を上回る市区町村は124あり、そのうち78市区町村は待機児童0のまま申込超過という状態になっている。申込者数÷利用定員の中央値は0.81で、全国の自治体を定員に対する申込みの多さで並べたときの「真ん中」の値を示している。
申込者数÷利用定員の分布をさらに細かく見ると、定員の80%未満の市区町村が808、50%以上80%未満が641、50%未満が167、利用定員が0の市区町村が8ある。この分布の詳細は、この記事の一覧表で確認できる。
なお、学童(放課後児童クラブ)については令和8年5月1日時点の速報値として、登録児童数1,602,037人、待機児童14,713人、利用を希望しない・保留等の状態にある児童11,683人が公表されている。保育所等とは調査時点が異なるため、両者を同じタイミングのデータとして比較することはできない。
データの読み方と背景
申込者数÷利用定員という指標は、あくまで市区町村単位での定員と申込みの量的な関係を示す統計であり、個々の家庭が希望する園にすぐ入れるかどうかを判定するものではない。比率が1を超えている市区町村であっても、年齢別の枠の空き方や、特定の園だけを希望しているかどうかによって、実際の状況は大きく異なる。
また、待機児童の集計には、育児休業を取得中の人、特定の保育園等のみを希望している人、求職活動を休止している人などが含まれていない。したがって「待機児童0の市区町村」であっても、申込者数自体が定員を上回っているケースが78市区町村あることが今回の調査で明らかになっている。待機児童0という数字だけを見て、その地域の保育が十分に利用しやすい状態にあると判断することはできない。
全国の中央値が0.81であることは、半数程度の市区町村で申込者数が定員の8割程度にとどまっていることを示す一方で、808の市区町村では定員の80%未満、167の市区町村では定員の50%未満という、申込みが比較的少ない地域が相当数存在することも読み取れる。地域によって状況の幅が大きいことがこの分布からうかがえる。
確認するときの注意点
この調査結果は令和8年4月1日現在という特定の時点の数値であり、年度の途中で申込状況や空き枠の状況が変わることは十分にありうる。したがって、今回示した比率や待機児童の数字をもって、特定の自治体が「入りやすい」「入りにくい」と判定することはできない。実際の入所は、年齢別の空き状況、申込みの時期、希望する園の状況、各自治体の利用調整の結果によって決まるため、個別の可否をこの記事の統計から読み取ることはできない点をご理解いただきたい。
保育料の具体的な金額や、申込みの手続き、利用調整で使われる指数の付け方といった実務的な内容は、今回の調査には含まれていない。これらについては、お住まいの市区町村の公式案内で必ず確認してほしい。保活の進め方や学童の申込みについては、別記事で詳しく解説している。
申込者数÷利用定員の全国分布
こども家庭庁「保育所等関連状況取りまとめ(令和8年4月1日)」による状況です。表の値は調査原票の転記です。利用定員・申込者数には、保育所・認定こども園・地域型保育事業に加え、特例保育等・企業主導型保育事業・地方単独事業の分も含まれます(国が公表する全国集計の利用定員より大きくなる場合があります)。「申込者数÷定員」が1.00を超えると申込者数が利用定員より多いことを示しますが、定員・申込者には年齢区分や施設類型ごとの内訳があるため、市区町村全体のおおまかな目安としてお読みください。実際に入所できるかどうかは年齢・時期・希望園・各市区町村の利用調整によって決まります。
| 区分 | 市区町村数 |
|---|---|
| 申込者数が定員を上回る(1.0超) | 124 |
| 定員の80%〜100% | 801 |
| 定員の50%〜80% | 641 |
| 定員の50%未満 | 167 |
| 利用定員0(定員の報告なし) | 8 |
出典: 「保育所等関連状況取りまとめ(令和8年4月1日)」(こども家庭庁・https://www.cfa.go.jp/policies/hoiku/torimatome)を加工して作成(令和8年4月1日現在)
よくある質問(FAQ)
Q. 申込者数÷利用定員が1を超えている市区町村は、必ず入所できないのでしょうか。
A. この指標は市区町村全体の量的な関係を示す統計であり、個別の入所の可否を判定するものではない。年齢別の枠の空き方や希望する園の状況によって実際の結果は異なるため、この記事の統計だけで入所の可能性を判断することはできない。
Q. 待機児童が0人の市区町村なら、保育園にすぐ利用できますか。
A. 待機児童0という集計には、育児休業中の人や特定の園のみを希望している人、求職活動を休止している人などが含まれていない。そのため待機児童0であっても申込者数が定員を上回っている市区町村が78ある点に注意が必要で、すぐに利用できるとは限らない。
Q. 利用定員にはどんな施設が含まれていますか。
A. 今回の利用定員には、保育所・認定こども園・地域型保育事業に加え、特例保育等・企業主導型保育事業・地方単独事業の分も含まれた合計となっている。国が公表する4類型のみの全国計とは異なる数値であることに注意してほしい。
Q. 保育所等と学童の数値は同じ時点のものですか。
A. 異なる。保育所等の数値は令和8年4月1日現在、学童(放課後児童クラブ)の数値は令和8年5月1日時点の速報値であり、調査時点が異なるため単純に比較することはできない。
Q. 自分の住む市区町村の具体的な比率を知りたい場合はどうすればよいですか。
A. この記事の一覧表で市区町村別の数値を確認できる。より詳しい申込状況や最新の空き状況については、お住まいの市区町村の保育担当窓口に直接確認することをおすすめする。
この記事で言えないこと
この記事は、こども家庭庁が公表した令和8年4月1日現在の集計データを紹介するものであり、個別の家庭が特定の保育園や市区町村で入所できるかどうかを判定・保証するものではない。実際の入所は年齢・時期・希望園・利用調整の結果など複数の要素によって決まるため、個別の可否についてはこの記事の範囲では答えられない。保育料の具体的な金額や申込み手続きの詳細、利用調整の指数の仕組みについても本記事では扱っていない。これらの点や、ご自身の状況に即した見通しについては、お住まいの市区町村の保育担当窓口(保育所等)・放課後児童クラブ担当窓口(学童)に直接相談することをおすすめする。
※本記事は2026-10-08時点で公開されているこども家庭庁「保育所等関連状況取りまとめ」(令和8年4月1日現在)・「令和8年度 放課後児童クラブの実施状況(速報値)」(令和8年5月1日時点)などの公表情報をもとに作成したデータ紹介です。記事中の数値(一覧表を含む)は調査の公表値の転記(各調査の基準日時点の情報)であり、年度途中の施設の新設・定員変更などで最新の状況と異なる場合があります。待機児童数などの統計は特定の自治体・保育施設・学童への入所のしやすさを判定・保証するものではなく、実際の入所は年齢・時期・希望施設・各自治体の利用調整によって決まります。申込方法・保育料・最新の空き状況は、お住まいの市区町村の保育担当窓口・放課後児童クラブ担当窓口に直接ご確認ください。


