調査から見える待機児童の実態
公表されている統計によると、令和8年4月1日現在で待機児童が100人以上いる自治体は東京都世田谷区・足立区・北区の3自治体のみであり、この数値は入所のしやすさを保証するものではありません。
調査データの全体像
こども家庭庁が公表した令和8年4月1日現在の調査によると、全国1,741市区町村のうち、待機児童数が100人以上に達しているのは東京都世田谷区(166人)、東京都足立区(106人)、東京都北区(103人)の3自治体のみです。この3自治体の年齢別の内訳は、この記事の一覧表で確認できます。
全国全体では、保育所・認定こども園・地域型保育事業に加え、特例保育等・企業主導型保育事業・地方単独事業を含む利用定員の合計は3,172,919人、申込者数は2,729,681人で、待機児童数は合計2,435人となっています。この定員の合計は、国が公表する4類型のみの全国計とは異なる点に注意が必要です。待機児童がいる市区町村は189(全体の10.9%)にとどまり、1552市区町村(89.1%)は待機児童0です。一方で、申込者数が利用定員を上回る市区町村は124あり、そのうち78市区町村は待機児童0のまま申込者数が定員を超過している状況です。申込者数を利用定員で割った比率の中央値は0.81となっています。
なお、放課後児童クラブ(学童)については、令和8年5月1日時点の速報値として、登録児童数1,602,037人、待機児童14,713人、利用を希望しながら利用できなかった児童等が11,683人と公表されています。保育所等の調査とは時点が異なるため、あわせて見る際はこの点を踏まえてください。
データの読み方と背景
全体の傾向として、待機児童が100人を超える自治体はごく限られており、大多数の市区町村では待機児童が0となっています。ただし、待機児童0の市区町村のうち78市区町村では、申込者数が利用定員を上回る状態(申込超過)が同時に生じていることが公表データから分かります。これは、待機児童としてカウントされる人数と、実際に利用を希望して申し込んだ人数の規模が、必ずしも一致しないことを示しています。
これは、国の定義上、待機児童の集計には育児休業中の人、特定の保育園等のみを希望している人、求職活動を休止している人などが含まれないためです。そのため「待機児童0」という数字だけを見て、その自治体の保育所利用が容易であると判断することはできません。同様に、申込者数÷利用定員の比率が高い・低いという数値だけで、特定の自治体の入所のしやすさを判定することも、本記事の範囲ではできません。実際の入所可否は、申込む子どもの年齢、申込時期、希望する園、各自治体が行う利用調整の結果によって決まります。
確認するときの注意点
今回紹介した数値はいずれも令和8年4月1日時点(学童は令和8年5月1日時点)の調査結果であり、年度の途中で定員の増減や申込状況が変化する可能性があります。「待機児童が少ない自治体だから入りやすい」「多い自治体だから入れない」といった判断を、この記事の数値だけで行うことは避けてください。
また、実際の申込み手続きの流れ、保育料の金額、利用調整で使われる指数の付け方などは、今回の調査には含まれていません。これらは市区町村ごとに制度が異なるため、お住まいの市区町村の公式案内で確認することをおすすめします。保活の具体的な進め方や、学童(放課後児童クラブ)の申込みのポイントについては、別記事で扱っていますのであわせてご参照ください。
待機児童数が100人以上の自治体(年齢別内訳)
こども家庭庁「保育所等関連状況取りまとめ(令和8年4月1日)」による状況です。表の値は調査原票の転記です。利用定員・申込者数には、保育所・認定こども園・地域型保育事業に加え、特例保育等・企業主導型保育事業・地方単独事業の分も含まれます(国が公表する全国集計の利用定員より大きくなる場合があります)。「申込者数÷定員」が1.00を超えると申込者数が利用定員より多いことを示しますが、定員・申込者には年齢区分や施設類型ごとの内訳があるため、市区町村全体のおおまかな目安としてお読みください。実際に入所できるかどうかは年齢・時期・希望園・各市区町村の利用調整によって決まります。
| 自治体 | 待機児童 | うち0歳児 | うち1歳児 | うち2歳児 | うち3歳以上児 | 申込者数÷定員 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 東京都世田谷区 | 166 | 0 | 148 | 18 | 0 | 0.96 |
| 東京都足立区 | 106 | 1 | 105 | 0 | 0 | 0.84 |
| 東京都北区 | 103 | 4 | 89 | 10 | 0 | 0.92 |
出典: 「保育所等関連状況取りまとめ(令和8年4月1日)」(こども家庭庁・https://www.cfa.go.jp/policies/hoiku/torimatome)を加工して作成(令和8年4月1日現在)
よくある質問(FAQ)
Q. 待機児童が100人以上の自治体は、絶対にその自治体の保育所に入れないということですか。
A. いいえ、断定はできません。待機児童数は申込者全体のうち入所できなかった人数の集計であり、年齢や希望する園、申込時期によって個々の状況は異なります。入所の可否は各自治体の利用調整の結果によって決まります。
Q. 待機児童が0人の市区町村なら、必ず希望する保育所に入れますか。
A. 入所を保証するものではありません。待機児童の集計には、育児休業中の人や特定の保育園等のみを希望している人、求職活動を休止している人などが含まれないため、実際に入所を希望している人がいても数字に表れないことがあります。
Q. 申込者数が利用定員を上回っている市区町村は、どのくらいありますか。
A. 公表されている統計では、申込者数が利用定員を上回る市区町村は124あり、そのうち78市区町村は待機児童が0のまま申込超過となっています。具体的にどの市区町村が該当するかは、この記事の一覧表の範囲で確認できる情報に限られます。
Q. 保育所の年齢別の待機児童数はどこで確認できますか。
A. 待機児童が100人以上の3自治体の年齢別内訳は、この記事に掲載している一覧表で確認できます。それ以外の自治体の年齢別の詳細については、お住まいの市区町村の保育担当窓口にお問い合わせください。
Q. 学童(放課後児童クラブ)の待機児童数も同じ時点のデータですか。
A. いいえ、異なります。保育所等の定員・申込者・待機児童は令和8年4月1日現在の数値ですが、学童の登録児童数・待機児童数は令和8年5月1日時点の速報値であり、調査時点が異なります。
この記事で言えないこと
この記事で紹介した内容は、こども家庭庁が公表した統計の範囲にとどまります。個別の家庭が特定の保育所や自治体に入所できるかどうかの判定・保証、個々の利用調整指数の見込み、保育料の具体的な試算などは、本記事の範囲外であり、お答えできません。入所の可能性やお子さんの状況に応じた具体的な相談は、お住まいの市区町村の保育担当窓口(保育所等)、または放課後児童クラブ担当窓口(学童)に直接お問い合わせください。
※本記事は2026-10-08時点で公開されているこども家庭庁「保育所等関連状況取りまとめ」(令和8年4月1日現在)・「令和8年度 放課後児童クラブの実施状況(速報値)」(令和8年5月1日時点)などの公表情報をもとに作成したデータ紹介です。記事中の数値(一覧表を含む)は調査の公表値の転記(各調査の基準日時点の情報)であり、年度途中の施設の新設・定員変更などで最新の状況と異なる場合があります。待機児童数などの統計は特定の自治体・保育施設・学童への入所のしやすさを判定・保証するものではなく、実際の入所は年齢・時期・希望施設・各自治体の利用調整によって決まります。申込方法・保育料・最新の空き状況は、お住まいの市区町村の保育担当窓口・放課後児童クラブ担当窓口に直接ご確認ください。


